不動産相続で起こりやすいトラブルとは?相続税・売却・相続登記の注意点を解説

相続を迎えたとき、遺産に不動産が含まれていると問題になりがちなのが、「家や土地はあるのに、期限内に相続税の支払いに必要な資金を用意できるかわからない」という悩みです。

この記事では、これから不動産を相続する方に向けて、事前に把握しておきたい不動産相続でトラブルになりやすい事例を解説します。どこで詰まりやすいのかを確認していきましょう。

目次

不動産相続でまず確認したいのは「相続税を払うための資金繰り」

最初にも触れましたが、相続では「遺産に不動産があるものの、相続税が払えずに相続放棄を考える」という事態が起きることがあります。

不動産そのものは価値のある資産です。とはいえ、実際にはすぐに売却して現金化できるとは限りません

多くの場合、売却には準備や買い手探しが必要です。土地自体に資産価値があっても、立地や建物の状態などによっては、すぐに買い手が見つからないケースもあります。

一方で、相続税の申告と納付には、被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内という期限があります。そのため、不動産の売却が間に合わない場合でも、期限までに納税資金を準備しなければなりません。

つまり、不動産相続で起きやすいトラブルの原因は、資産の価値そのものよりも、流動性の低さにあるといえます。


不動産相続では「評価額」「売却額」「売れる時期」を分けて考える

不動産の相続で見落としやすいのが、相続税の計算に用いる評価額と、実際に売れたときの金額が必ずしも一致しない点です。

相続税の評価額は、路線価(ろせんか)などの評価ルールに基づいて算定される税務上の評価です。路線価とは、国税庁が毎年7月ごろに公表する、道路に面する標準的な宅地の1平方メートルあたりの価額を指します。

一方で、市場でどれほど買い手の需要があるかは別の問題です。相続税の計算上の評価額が高く出ていても、その金額で売れるとは限らず、売却価格が下振れすることもあります。

さらに、売れば解決するように見えても、実際にはその売却が期限内に間に合うとは限りません。売却にかかる期間も含めて考えることが、不動産相続の見通しを立てるうえで大切です。

ここまでは相続税を中心とした悩みを見てきました。次は、相続税以外のトラブルについても確認してみましょう。


不動産相続で起こりやすいトラブル1|遺産分割や相続登記が進まず売却できない

相続税のトラブルとあわせて多いのが、相続した不動産の権利関係の整理が進まず、動かしにくくなるケースです。

たとえば、複数の相続人がひとつの不動産を相続した場合、遺産分割が終わるまでは、その不動産を誰か1人の持ち物として自由に処分できるわけではありません。

まずは、遺産分割(個々の財産を誰が取得するかの確定)による整理や相続登記が済んでいないと、不動産の売却手続きは進めにくくなります。


不動産相続で起こりやすいトラブル2|空き家化で管理費や固定資産税の負担が増える

不動産には、売却以外にも、賃貸として利用したり住まいとして使ったりと、さまざまな選択肢があります。そのため、相続した不動産をすぐに売らず、どのように扱うべきか、いったん様子を見るという判断も考えられます。

しかし、結論が出ないまま不動産を持ち続けると、空き家化によって管理の負担や固定資産税の支払いが問題になることがあります。

長期間保有することによる維持コストの問題もありますが、市区町村によっては空き家に関する運用が定められています。適切な管理がされないまま放置していると、管理不全空家等または特定空家等として勧告を受ける可能性があります。

この勧告を受けると、住宅用地特例の対象から外れ、固定資産税などの負担が大きくなる可能性があります。

相続税の支払いに問題がなく、いったん様子を見る場合でも、その後の管理まで意識しておきたいところです。


不動産相続では相続登記の義務化にも注意が必要

不動産を相続する場合、2024年4月1日から相続登記が義務化されています。相続により不動産を取得したことを知った日から3年以内に、登記の申請が必要です。

そのため、急いで結論を出す必要はありませんが、忘れてはいけない手続きがあることは押さえておきたいところです。


相続した不動産を売却するなら、譲渡所得税と取得費も確認する

相続税の支払いが終わり、遺産分割も完了して不動産を売却しようと考えた場合は、次に譲渡所得税取得費の扱いまで見ておく必要があります。ここを見落とすと、相続時に想定していたほどの金額が手元に残らない可能性があります。

譲渡所得税とは、不動産を売って出た利益にかかる税金のことです。一方、取得費とは、その不動産をもともと手に入れるためにかかったお金で、購入代金や手数料などを指します。

相続した不動産では、基本的に、被相続人(財産を残して亡くなった本人)がその不動産を買ったときの購入代金や購入手数料などを引き継ぐ考え方になります。

譲渡所得税は、売れた金額そのものにかかるのではありません。売却額から取得費や売却にかかった費用を差し引いた利益をもとに計算されます。

このように、不動産の相続、管理、売却までを見通すと、それぞれのタイミングでトラブルの可能性が潜んでいます。不動産を相続する可能性がある場合は、誰がどのように管理していくのか、早めに計画を立てておくことをおすすめします。

また、不動産の相続では、法的な整理は弁護士、税務申告は税理士、登記手続きは司法書士というように、それぞれの専門家への相談が必要になることがあります。アストルム法律事務所では、パートナーシップを持った各種専門家と一貫した相続サポートを提供しています。

まずは何から手を付けるべきか、どの専門家に相談すべきかお悩みの場合は、ぜひ一度ご相談ください。


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