相続した家や土地で後悔しないために知っておきたい5つの意外な注意点

将来、親から実家や土地の相続する可能性がある方は、誰が相続するか、いくらで売れるのかといったところが気になるかと思います。一方で「将来は相続した土地に家を建ててしまおうか!」を想像して期待している方もいるかもしれません。

ところが家の建設には法的にも細かなルールがあるため、既に家が建っている土地でも今の法律では建て直しができなかったり、家を壊すことで税額が上がったりと、自分たちが思い描いていた通りに進まないこともあります。

相続する不動産で後悔しないためには、イメージしやすいことからルールを知っていただくことが第一歩となります。そこで今回は、知っておきたい意外な話しをテーマに5つの注意点をおまとめいたしました。楽しみながら法律の知識を深めていただけたら幸いです。

目次

1.相続した実家を壊して更地にすると、翌年から土地の固定資産税が大きく上がることがある

親から古い実家を相続したものの、自分たちは住む予定がない。そんなとき、「誰も住まないなら、壊して更地にしてしまおう」と考えることもあるかもしれません。

ところが、家を壊したことで、土地にかかる税金がそれまでより高くなることがあります。

住宅が建っている土地には固定資産税を軽くする仕組みがあり、200平方メートルまでの土地について、一般的な住宅が建っている場合は税金を計算するときの金額が原則6分の1に抑えられています。家を取り壊し、翌年の1月1日時点で更地になっていると、この軽減を受けられなくなる可能性があるからです。

ただし、必ず税金が6倍になるわけではありませんし、税金を抑えるためだけに傷んだ空き家を放置するのも危険です。古い住宅を相続した場合は壊す前と壊した後の税金、解体費、売却予定、利用できる補助制度まで一度確認してから判断することが大切です。


2.今そこに家が建っていても、壊したあと同じ場所に家を建て直せないことがある

実家を相続したときに「古い実家を解体して、新しく自分たちの家を建てよう」と計画している人はいるでしょうか。実は、いま実家が建っている場所に新しい家を必ず建てられるとは限りません。実家を建築した頃と比べて建築に関する法律や周辺環境が変化したことで、今はその土地には新しい家を建てられないということがあります。

例えば、現在の法律では家を建てる土地には、原則として「その土地が道路に一定以上接していなければならない」という法律があります。

しかし古い住宅の場合、周辺環境や土地の名義変更により道路に接する部分が狭くなっていたりすることがあります。その結果、今建っている家には住めても、一度壊すと次の家を建てられない場合があります。一般に「再建築不可」と呼ばれる状態です。

厄介なのは、家を建て直せない土地は、買える人や使い道も限られやすいことです。売却や建て替えを検討する場合はまずは「この土地にはもう一度家を建てられるのか」だけでも確認しておくと安心です。道路や建築の条件は土地ごとに異なるため、判断が難しい場合は市役所や不動産・建築の専門家へ確認しましょう。


3.家の周りの環境次第では、自分の土地を自由に工事できないことがある

みなさんは実家の周辺の道路や土地が「市や県の道路なのか、個人が持っている道路なのか」答えられるでしょうか。普段はあまり意識することはないかもしれません。

しかし、実家の建て替えや解体で工事を考えたとき、周辺環境次第では工事が難しい場合があります。

特に相続した土地に私道が含まれている時は注意が必要です。私道とは、簡単にいえば個人などが所有している道路です。自分が持っている土地なので自由に掘ったり、何かを建築したりできると考えてしまいがちですが、ガスや水道の経路、土地の権利関係によっては、工事に制限が設けられている場合があります。

つまり同じ土地でも「通るための道」と「建築できる土地」は別の扱いということです。

土地を工事する際は「これまで普通に生活できていた土地だから大丈夫」と考えず、どういう扱いの土地なのか、工事が必要になった場合どのような扱いになるのか確認するとよいでしょう。


4.建築後に取り付けた物置や車庫があると、家の売却を妨げることがある

実家の庭にある、ホームセンターで買った物置や、雨を防ぐために付けた車庫。「昔、父さんが設置したんだっけ。」そんな設備があるご家庭は特別珍しいものではないので、家の売却とは無関係に思えます。

ところが、こうした後付け設備は、家を売却するときに問題になることがあります。

家には、「土地の広さに対して、どれくらいの大きさまで建物を建ててよいか」を定めた法律があります。実は、物置・車庫・サンルームなどを追加すると、それが建物という扱いになり、現在の法律では売却できない状態になっている可能性があります。

「小さな物置だから関係ない」「専門の業者に頼んだから問題ない」と感じてしまうかもしれませんが、そうとは限りません。後付け設備の問題が見つかると、撤去や修正をおこなわなければ売却できない可能性があります。自己判断で撤去した方がよいとは限らないため、まずは専門家に一度確認してもらうと安心です。


5.相続した畑や田んぼは、自分の土地でも勝手に駐車場や住宅用地へ変えられない

親や祖父母から相続した土地に、畑や田んぼが含まれていることがあります。自分には農業をする予定がない場合、「月極駐車場にすれば収入になるのでは?」や「子どもが大きくなったら家を建てればいい」と考えるかもしれません。

しかし、自分の土地だからといって、好きに使い方を決められるとは限りません。

田んぼや畑として扱われている土地を、駐車場や住宅用地などに変えるときには、「農地転用」という手続が必要になる場合があります。その地区によって、「届出をすればよい土地」と「許可を受けなければならない土地」が分けられています。

さらに、家にしても駐車場にしても、その用途によって建造するための条件が法律で定められています。そのため、広くて立派な土地でも、実際には思っていたように使えないということもあります。

相続する前段階でもこの点は注意したいポイントです。例えば、兄が相続するのは1,000万円の宅地、私が相続するのは1,000万円相当の畑だったとします。このとき、同じ価格だから公平と考えてしまうかもしれません。しかし、自由に家を建てたり売ったりできるかどうかで、実際の使いやすさは大きく異なります。相続する際はまず何に使える土地なのかを確認する。それだけでも、後になって「こんなはずではなかった」となるリスクを減らせます。


まとめ|家や土地の相続は、「どうするか」を決める前の確認も大切

いかがだったでしょうか。相続する家や土地の扱いをイメージだけで決めてしまうと、必要な条件が満たせずに思った通りの結果にならないこともでてきます。
家族だけで相続後の土地や家をどうするのか決めきってしまう前に、その家や土地がどのような状況にあるのか、何ができるのかを確認することが大切です。ご家族との相談と並行して、地域の省庁・自治体のサービスや専門家にご相談しながら、ご自身の計画が実現可能かどうかのご確認も進めていきましょう。

監修 弁護士
アストルム法律事務所 若山 桃子

経歴

  • 同志社大学法学部法律学科 卒業
  • 同志社大学法科大学院 修了
  • 2010年 弁護士登録

若山桃子について、詳しくはこちら

監修 弁護士
アストルム法律事務所
若山 桃子

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  • 同志社大学法学部法律学科 卒業
  • 同志社大学法科大学院 修了
  • 2010年 弁護士登録

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